余計な事

746 名前:本当にあった怖い名無し :2006/06/03(土) 10:10:06 ID:nzPUaKhN0
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
霊媒師の読経が続く。
柏を振るい、やや過剰だが溺れる者は藁をも掴む。
僕も必死だった。高い金を払ってる・・・いや、除霊して欲しいのだ。

「・・・無駄だといってる」
「うわぁっっ」

耳元で囁く声。全然効いてないっぽいっ

「祟るよ。余計な事して怒らせるとどうなるかわかんないよ」
「ひ、ひぃぃっ」
「え、ええーいっこの悪霊めがっっ退散せーいっっ」

喧々諤々の大騒ぎがしばらく続き、結局霊媒師は『金額分は
やった。俺GJ』と言い残し帰った。

部屋の空気は澱んでいる。何も変わっていない。むしろ居心地が悪い。

「・・・あんなの呼んでお祓いしようとしたのね?」
「すっすいませんっ出来心でっっ」
「許せないよ。もう許さないよー」
「あわ・・・あわわ」
「・・・からかうだけのつもりだったけど、もう許さないからね。もう憑いたから」

とても余計な事をしただけらしい。