ハムスター←僕←ツンデ霊10

716 名前:ポン介 ◆ZMp2Jv9w5o :2006/06/01(木) 00:03:54 ID:AwnBPYj+0
迂闊だった。大失態といってもいい。
最近料理に凝っているレイポンに頼まれ、調味料を
探していてすっかり忘れていた。今日は
『ワクテカ ハムスター!〜ウプレカス読者投稿特大号〜』
の発売日だったのだ。
自分は食べるでもないのに、料理に凝った挙句こんなややこしい
買い物をさせるとは・・・もし買い逃したらレイポンだって怒るはずなのに。

実は今回も僕はハムポンを投稿していた。今回は今までにない
写り栄えだったといっていい。
ハムポンの愛くるしさが余すところなく写されていた。
撮ったのはレイポンだが。

すっかり遅くなってしまった。なにぶん発行部数が少ない。
マニアな雑誌なので、一度買い逃すと注文でも手に入らない事もあるのだ。
焦りつつ、駅前の小さな本屋に僕は走った。

交差点もそのまま走って抜けようとしたとき
僕は跳んだ。

「・・・・?」
ブレーキを軋ませながら滑るように止まるダンプトラック。
「危ないわよ?右見て左見てわたりなさい」
「・・・レイポン?」
「遅いから迎えに来てみれば・・・どこいこうとしてたの?まったく」


717 名前:ポン介 ◆ZMp2Jv9w5o :2006/06/01(木) 00:12:45 ID:syNj2yTd0
見事な背負い投げだった。
しかし、レイポンを触感したのは初めてだったかも知れない。

「本屋さん」
「うん。でもまだ閉まるまでは時間があるから、気をつけないと」
「うん」

ダンプは既に走り去っていた。運転手は、キテレツな飛び方で
飛び去った妙な奴がいたとみんなに吹聴するだろう。

「じゃあ、先に帰ってるから・・・あ、調味料は買えた?」
「うん」
「よかった。あんまり話すと独り言を繰り返す危ない人になっちゃうから、
帰るわよ。ほら、立って」

そうだった。座り込んでぶつぶついってるようにしか見えないだろう。
僕を社会的に抹殺する気だろうか?

「じゃ、気をつけて帰るのよ」
「うん」

レイポン・・・柔道の腕は確かなようだ。しかもいざとなったら手が出せるのか。
あまり、以後は逆らわないほうがよさそうだ。