本当の気持ち

373 名前:片栗粉285('A`) :2006/05/06(土) 19:30:08 ID:hA7GbS7aO
素直じゃない。彼も私も。

「GWなのに何ヒキってんの?」

「…ッせェーよ。特に行きたいトコもないのに何で出掛けなきゃなんねんだよ」

「大型連休よ? あんた人間の友達とか家族とか居ない訳?」

「どうせ人間より幽霊と付き合いたがる根暗ですよーだ。
 てか、そういうお前だって出掛けてみれば?
 せめて近所の公園とかよ。ヒキ幽霊にヒキ扱いなんかされたくないって」

冗談っぽく彼はいう。

「はぁ…幽霊に休みなんてないって事ね。」

「はぁ? 幽霊は毎日がエブリデイだろうがw」

なによその古いボケ。
拳を強く強く握りしめてツッ込みそうになるが、耐える。


374 名前:片栗粉285('A`) :2006/05/06(土) 19:31:22 ID:hA7GbS7aO
「――出掛けてきなさいよ。毎日見飽きた顔ばっかでウンザリなの。
 あんたの世話で疲れてる私の身にもなってよね!」

「ウールセー(・∀・)ニヤニヤ
 それよか肩揉んで? お前上手いしw」

「また!? 私あんたの専属マッサージ師じゃないの!
 血流良くなりすぎて高血圧で死んじゃえば!?」

流れはいつも通り。結局お互いマッサージする。

本当は彼は解ってる。私がここを「離れられない」ことを。

本当は私は解ってる。彼がここを「離れたくない」ことを。

本当は私たちは解ってる。お互いの「本当の気持ち」を。

素直じゃない。彼も私も。

でもきっと、二人は通じている。

それはきっと、二人が似たもの同士だから。