ハムスター←僕←ツンデ霊2
- 399 名前:ポン介 ◆ZMp2Jv9w5o :2006/02/20(月) 21:25:16 ID:+380dzcr0
- 今日は家で今月の「かわいいハムスター」をごろんと横に
なって眺めていた。
いつ見ても素敵な雑誌だ。小さかった頃、まだハムちゃんだった
ハムポンを写メで撮り、投稿したりした。
掲載された雑誌は今も宝物だ。
「ふむぅ・・・むー?・・・・ふむふむ・・・・」
さっきから、耳元で鼻息が荒いのは、レイポンだ。
僕の後ろから雑誌を見ているらしい。
すぐ耳元でふむふむ言われるのは、何か気恥ずかしい。
だが・・・それ以上に僕には気がかりな事があり、実は雑誌にも身が入らなかった。
もうすぐバレンタインデーなのだ。レイポンはどう思っているのだろう・・・
「レ、レイポン?」
「レイポンいうなっ・・・なに?」
あまり気のない返事なのは、読者投稿コーナーのハムスターたちに心奪われている
からだろう。
「・・・ん。いや・・・なんでもない」
「・・んー。ん?・・・・んんー?んふふ・・・何よ?」
まずいな。とてもいやな雰囲気だ。気づかれたのかも知れない。
- 400 名前:ポン介 ◆ZMp2Jv9w5o :2006/02/20(月) 21:25:47 ID:+380dzcr0
- 「な・・・なんでもないよ」
ページをめくる指が自分のものではないようにぎこちない。
顔が熱いのがわかる。
「んー?んんー?気になるじゃないよ、いいなさいよっ」
含んだ笑いで声が弾んでいる。意地の悪い奴だ。
「レイポンはさ、その・・・桃の缶詰ありがとね」
「レイポンいうな。・・・んー?ああ、たまたまあったからね。で?」
カラカラ・・・・カラカラ・・・・
沈黙の降りた部屋に、ハムポンが回し始めた回し車の音が響く。
「でって・・・それだけだよ」
「・・・ふふん。そういう事にしておいてやるわ」
含み笑いの中に勝ち誇った響きを残し、レイポンは引き下がった。
レイポンは多分、女の子だろう。声から察するに同年代だと思っていい。
今まではハムポンの世話をしてくれる、便利な存在くらいにしか思っていなかった。
だけど・・・レイポンは僕をどう思っているのだろう。そして僕は・・・
当日、机の上にチロルチョコが一つあった。
「・・・・これが答えかっレイポンーっっ?!」
「なっなによっっきなこチョコなのよっっ」
もうレイポンとは2日口を聞いていない。きなこチョコっていわれても困る。