敵討ち

588 名前:本当にあった怖い名無し :2005/12/21(水) 23:03:05 ID:ADugy/uBO
その日、買ったばかりの単車で最高速を出そうと、とある場所へやって来た。
「警察に会いませんように。潰しに会いませんように。」などと念仏を唱えていると到着していた。
205kmまで加速して減速しはじめる。
ツレには、「230kmまで出した」とでも言っておこう、などと考えていると何かが横にピッタリ付いた。
(こんな暗いのにライトも付けず近付いてきたのか?)
ハッと前を見たら、もう交差点だった。オレは、慌てて減速した。
が、隣を走っていた、金髪で髪の長い女は、そのまま走り去っていった。
オレは、クラクションを鳴らした。
(バカが!赤信号でぶつかるぞ!)
交差点に差し掛かった瞬間、彼女は、スーと消えていた。
「マジか?幽霊?」
「そうよ!」
声が聞こえた。
「うわ〜」
「ビッてんじゃないわよ!」
いきなり叱られた。
「赤信号でも車停めれる位の根性みせろ!」
(無茶いうなよ)

590 名前:588 :2005/12/22(木) 01:36:25 ID:4/aspamdO
次の日から同じ時間、同じ場所で、ほんの数分数秒しか一緒にいられないけど、彼女と走るようになった。
そんな毎日が続く中、
「今日は、消えないのな?」そう、交差点を過ぎても彼女は、消えなかった。
「別に…いつも消えてねーよ!アンタが…見えてないだけ…」
「へ?」
「あたしの力が強くなんのは、死んだあの場所だけ。」そう言い彼女は、交差点を指差した。
「そうか……なあ聞いていいか?」
「だめだ!……何よ!言いなさいよ!」
「何で死んだ?」
「聞くか?フツー!」
彼女が一瞬、悲しい顔をした。
「ただの事故!不幸な事故よ!」


591 名前:588 :2005/12/22(木) 02:04:05 ID:4/aspamdO
次の日からオレは、彼女に会えなくなった。
というよりあの場所へ、行けなくなってしまった。
ショップの客から彼女の事を聞かされたからだ。
「よー兄ちゃん。00の交差点で250kmだしたんだって?やるな〜」
「いや〜」
「でも、あそこ行くのやめろよ!なんたって呪われるから」
「まさか〜」
「いや、本当だって!殺した奴知ってるし」
(え!?)
「オイ!やめろ」
もう一人の客が、作業場に入ってきた。
「いーじゃねえか別に。いやね、あそこで死んだの烈怒ってレディースの頭なんだけど、コイツが惚れちゃってね。んで呼び出してコレよ!」
男が下品に腰を振った。
(何言ってる)
「そしたらその女トラックにボーン!」
(やめろ)
「おい、具合は、どうなのよ?」
「はじめてだったみたいだぜ」
(ヤ・メ・ロ)
「3回は、やりたかったな」
「3回ヤったら3回トラックに」
オレは、男を殴っていた。(コロシテヤル)
オレは、工具箱からモンキーを取り出しなぐりかかった。
正気を取り戻したのは、オリに入れられてからだった。
オレは、警察に取り押さえられてからもモンキースパナを放さなかったらしい。
あの男達は、重体だが命に別状はなかった。

592 名前:588ラスト :2005/12/22(木) 02:07:36 ID:4/aspamdO
鑑別所の中であのエンジン音が聞こえる。
「バカみたい」
(あの声だ)
「あたしが手を出さなきゃアイツラ死んでたじゃん」
「かもな、やっぱりお前がかばったのか」
「でも…アリガト」
姿は、見えないケド声だけが聞こえる。


おわり

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