教室の窓から

162 名前:本当にあった怖い名無し :2005/11/25(金) 23:33:31 ID:Chl8IQ0a0
放課後、俺が家に帰ろうと校門へと足を向けている時だった。
ふと校舎の方に目をやると教室の窓から女の子が腕を組んでこっちを覗いてることに気がついた。
2階の教室だから同じ学年の子のはずなのだが、見たことが無い顔だ。
転校生だろうか・・・?と考えていると、その子が俺ににこりと微笑みかけてきた。
その可愛いい笑顔に見惚れながら微笑み返す・・と、突然その子が肘を組んだ姿勢のまま窓から飛び出した。
窓の枠の外に隠れた、肘から下が少しづつ露になる・・・・・あれ・・?
――肘から下が・・・・無い?
窓から飛び降りた上半身だけの女の子が肘から地面に着地する。
上半身だけの女の子が肘だけでこっちに向かって駆け出してきた。
そのあまりにも不自然な光景に唖然していた俺だが、彼女が近づいてくると同時にやってくる恐怖に思わず後退り・・
「あ・・・」
恐怖で足がすくんでいて、上手く動けず、そのまま後ろに倒れこんでしまった。
背中を思いっきりぶつけてしまったらしく酷く痛む。
気がつけば、彼女は既に俺の目の前にいた、俺は頭が真っ白になった。
「だ・・・大丈夫!?」
・・・・・・・・・・・・・・・・え?
「背中、怪我してない?ごめんね・・ちょっと怖がらせたかっただけだったのに・・」
混乱していてよく理解できなかったが、彼女が俺にこれ以上の危害を加えるつもりが無い、と言うことは理解できた。
俺は安心した・・・が、安心と同時に背中に痛みが走った。
「い、痛てててて・・・・」
「ご、ごめんね。本当に、ごめんなさい・・・・」
言い終わるとほぼ同時に、彼女はぽろぽろと涙を流して泣き出してしまった。
その泣き顔を見ていると酷く悲しい気持ちになって、なんとか泣き止ませようと、無理して立ち上がった。
「いやいや、全然大丈夫!だから泣くな。」
俺が笑いながらそう言うと彼女も
「うん、ありがとう・・・・・優しいんだね。」
と言って笑った。
それから毎日、放課後に校舎の方を見ると2階の窓から腕を組んで笑っている彼女がいる。