ツンデ霊なお侍さん

739 名前:1/3 :2006/06/03(土) 02:57:53 ID:Suc24f21O
私の部屋には何故か、お侍さんがいる。勿論、幽霊。
今日は飲み会があり、帰って来たのはこんな時間。深夜の2時だ。

鍵を開けて部屋へ入ると、ポルターガイスト真っ盛り。
「ちょ、ちょっと!何してるのよ!近所迷惑でしょ!」
部屋の片隅にすぅ…っと姿を現すお侍さん。
「こんな時間まで何処へ行っておった!?夜道の一人歩きは危険ではないか!…べ、別に心配してたとか、さ、さ、寂しいとかではござらぬぞ…
そうじゃ!お主を呪う事が出来ぬとあっては、武士の名折れであるからの!お主を殺すのは拙者である事、忘れるでないぞ?」
「ハイハイ。まったく…何でもいいけど、散らかさないでよね…。私、疲れてるんだからシャワー浴びて早く寝たいんだから!」
手早くシャワーを浴びて浴室から出ると、脱衣籠の上にバスタオルがキチンと畳んで置いてある。着替えまで…。
「これ、あんたが置いてくれたの?ありがとうね…って…脱いだ下着どうしたの?触ったんでしょ!エッチ!」
「ぬ…愚弄するでない!み、見えぬよう目は瞑っておったわ!…す、少しは見えたかもしれぬが…や、疚しい心など抱いてはおらぬ!」

740 名前:2/3 :2006/06/03(土) 02:58:38 ID:Suc24f21O
慌ててるお侍さん、何か可愛いぞ?顔なんて真っ赤にしてる…。
「くすっ…、冗談よ。そんなムキにならなくてもいいじゃない。」
着替えを済ませ、髪をタオルで拭きながらソファに腰を下ろすと、酔いと疲れでウトウトとしてしまう…。
「湯上がりにそのような格好で転た寝して風邪など引いたらどうする!さっさと寝室へ行かぬか!」
「んにゃ…だめ…、もう眠くて歩け…なぃ…」

朝、目が覚めるとベッドで寝ていた。もしかして運んでくれたのかな?
キッチンへ行くと、お侍さんがいた。早速、声を掛けてみる。
「昨夜はベッドまで運んでくれたの?ありがとうね…って、何これ?」
テーブルの上には朝食が用意されている。献立はオムレツにサラダ。スープにオレンジ、紅茶まで用意されている…。
「これ、まさか作ったの?お侍さんのあんたが?」
「お、お主の為に作った訳ではない…さ、昨今の…ぶ、ぶれっくふぁあすと…と言う物も知っておかねばと思ってな…。
そ、そんな事より早く食べて支度せぬか!奉公に行くのであろ?遅れる事はならぬぞ!」
まるでお母さんみたいだ…。でも、何か可愛いからいいや。

741 名前:3/3 :2006/06/03(土) 03:01:42 ID:Suc24f21O
食べてる間も、なんやかんやと口を出して来るお侍さん。「きちんと噛まぬか!ほれ、零すでない!同じ物ばかり食すな!万遍なく食せぬと身体に悪いではないか…」
完璧にお母さんだわ…。

「じゃあ、行ってくるね!あ…そうだ!…ちゅっ♪」
ほっぺにキスしてやったら、真っ赤になって固まってる…。そのまま、小さい声で不安げに聞いてきた。
「き、き…気をつけて行くると良い…。こ、今宵は早く帰って来るのであろうな…?」
「ん、分かった。早く帰って来るからね!部屋散らかしちゃダメだよ!行ってきます!」
帰りに羊羹でも買ってきてあげよっと♪