く〜るな幽霊3

553 名前:見習いく〜る幽霊 :2006/05/17(水) 04:17:30 ID:5gq7kya+0
6月21日
 アイツが実家に帰るって言って、家を出ていった。
 なんだか、久々に家族が一同揃うらしい。
 何でこんな時期に。 こいつの一家というのがよく分からない。
 とりあえず、久々に一人になることになる。
 ひまなんで、日記でも付けよう。

6月22日
 朝起きたら、誰もいなかった。
 当たり前、アイツ、実家に帰ったんだもん。
 もてる気力を振り絞ってテレビを付けてみる。
 そういえば、あたしが一人で新しい住居人を待っている間だって
 こんな文明の利器もなかったんだよねぇ。 う〜ん、いい時代になったもんだ。

6月23日
 ちょっと暇をもてあましてきた。
 ま、24日に帰ってくるとの話なので、一人の満喫ももう終わってしまうだろう。
 ちょっと残念だ。
 ま、あいつが帰ってきたら く〜る に練った作戦で驚かそう。
 そうだ、あたしは幽霊なんだもん。 驚かさなきゃ。

6月24日
 一日待っても帰ってこなかった。
 ま、そう言うこともあるよね。
 驚かすネタは、明日に取っておこう。

6月25日
 何をやって居るんだろう。
 昨日帰ってくるっていったのに、今日も戻ってこなかった。
 腹いせに、アイツの食器を割っておいた。
 世間ではポルターガイストの一言ですむことだろう。
 でも、絶対アイツは驚かない。 むしろ怒るだろう。

554 名前:見習いく〜る幽霊 :2006/05/17(水) 04:18:13 ID:5gq7kya+0
6月26日
 帰ってこない。 寂しい……

6月30日
 ああ、そういえば、あいつが帰ってくるまでの間、日記でも付けようって思ったんだっけ?
 忘れてた。
 あいつはまだ帰ってこない。

7月1日
 寂しい。 一人ってこんなんだっけ。

7月7日
 帰ってきた!
 この日記もお役御免だ!
 なんでも、実家の人間に長らく引き留められたらしい。
 にしても長すぎだ! 3日の予定が弐週間だなんて!
 こいつ、どれだけ、あたしが心配したと思ってるんだろう。
 ――ご、ごめん。
 そいつはそう言った。
 なによそれ。
 謝られたって、過ぎた時間は戻らないんだよ。
 でも、戻ってきてくれただけでも嬉しい。
 これで、考えに考えを練った驚かし方が出来る!

 ……それだけなんだからね、勘違いしないでよ!