教育してやる!

245 名前:本当にあった怖い名無し :2006/04/30(日) 19:43:39 ID:nNbBsBGmO
入居した格安アパートに引っ越すと女の子の幽霊がいた。
「ええと…ごめんなさい。私、幽霊なんです。
天国行きが内定してるんですけど…
天国へのエレベーターがメンテ中であと三日かかるっていうです。
厚かましいお願いですがそれまでここに置いてもらえないでしょうか?」
 
哀れな様子で俺に懇願してきた。
とりあえず俺は女の子の横ツラを張りとばした
 
「ダメだ!ダメだ!!
違うだろッ!
そうじゃないだろ!?」
「そ、そんな…お願い!私、行くとこなくて…」
 
「だから違うって!!
まずは『出ていけ!』だろ!
基本だろ!?何やってんだよ!」
「え…?」
 
「格安!曰くつきアパート!
幽霊!
こう来たらツンデ霊が常識だろうがッ!」
「そ、そうなんですか…?」
 
「常識!否!不変の定理だ!
よし!俺がお前をどこに出しても恥ずかしくないツンデ霊娘に教育してやる!」
「え…い、いいですよ、遠慮しておきます…」


246 名前:本当にあった怖い名無し :2006/04/30(日) 19:44:56 ID:nNbBsBGmO
「いいから!三日だな!?このツンデ霊ハンターの俺に任せろ!」
「いやぁぁぁ!」
 
【一日目】
「まずは基本だ
『あんたなんか死んじゃえ!』」
「あ、あんたなんかし、死んじゃえ…」
「ダメだ!ダメだ!
もっと赤面しつつ!目は鋭く!かつ愛情を滲ませて!」
「あんたなんか死んじゃえ!」
「まだ照れがある!やり直し!合格するまで何度でもやるぞ」
「…(T_T)」
 
【二日目】
「ジェ、ジェノ、サーイ」
「気合いが足りない!もっと激しく!」
「ジェノサーイ!」
「違う違う!『ジェノッサァァーイッ!!』だって!もう一度!」
「…(T_T)」
 
【三日目】
「実技にうつる!
ほら!背負い投げ!はやく!」
「うーん、重いです…」
「はい!馬乗りにまたがる!」
「えぇ!?お、男の人に…そんなはしたない事出来ません…」
「いいからやれぇぇ!!
一人前のツンデ霊になれんぞ!」
「も、もぅ嫌ぁ(T_T)」


247 名前:本当にあった怖い名無し :2006/04/30(日) 20:03:24 ID:nNbBsBGmO
【四日目】
「…ただいま」
「あれ?どうしたの?お前天国行くんじゃなかったの?」
「ツンデ霊になったから内定取り消された…」
「そ、そうか、残念だったな。ま、いいじゃん!嫌な事は忘れて寝ろ!俺も寝るから!」
「…」
 
ニュースキャスター『昨夜未明、江戸川区アパートで突出 求さん、32歳が殴打された死体で発見されました。
近所の人の証言によると激しく争う音と【ジェノッサァァーイッ!】との叫び声が聞こえたとの事から
捜査本部は怨恨での殺人の線で捜査を進める事を発表しました。』