にゃー2

24 名前:本当にあった怖い名無し :2006/04/20(木) 14:02:49 ID:6nZ4lf2+0
彼女と二人で街を歩く。まあ他人からは男一人にしか見えないだろうけど。
服を選んでもらったり、必要な雑貨を買ったり、欲しい本を探し歩いたりとそこらにいるカップルとなんら変わりのない二人。
彼女の声は普通の人には聞こえないから、僕が言動に気を付ければ何も問題無い。

27 名前:本当にあった怖い名無し :2006/04/20(木) 17:24:27 ID:6nZ4lf2+0
すみません。24の続きです。

ふと、彼女が前方を見つめ、そして慌てて言った。
女「やばっ!前から同僚きたっ!」
俺「えっ?あの半透明の人の事?同僚って・・・」
女「どうしよう、えっと、うんと」
俺「何悩んで、あっそういうことか。えーとじゃあ俺は弟って事で」
女「え、弟?ちょっと無理ない?」
俺「兄とか父とかよりはましだって。何なら義理でも養子でもいいから」
女「うんわかった。じゃあよろしく」
同「どこかで見た顔だと思ったら・・・、久しぶりだねえ。で、さっそくだけどそっちの彼は?」
俺「すみません、ここだと人目があるんでちょっとあっちに」
同「あ、そっか。ゴメンゴメン、じゃあ行こうか」



28 名前:本当にあった怖い名無し :2006/04/20(木) 17:25:07 ID:6nZ4lf2+0
俺「じゃあ改めて。初めまして、弟です。姉がお世話になってます」
同「はい、初めまして、よろしくね。ふーん弟なんだ、あんまりにてないねえ」
俺「よく言われます」
同「久しぶりに見たと思ったらカワイイ男の子と一緒にいるからさ、年下が趣味なのかと思ったよ」
女「な、何言ってんのよ!こんなのが彼氏なわけないでしょ!調子に乗るから冗談でもカワイイとか言わないでよっ!」
俺「(こんなの、って酷くない?)まったく、彼氏も作らず死んだと思ったら弟に憑くんですから、困った姉ですよ」
女「な、なによっ!こんなに美女が年中無休で側にいてあげてるんだから感謝しなさいよっ!」
同「はいはいわかったから。弟君も大変だねえ。さて、挨拶したかっただけだし、私は行くわ。ほんじゃねお二人さん!」
俺「あ、はい。お疲れ様でした」
女「あ、うん、じゃあね。」
ふう、問題起きなくてよかった。さて、気を取り直してデートの続きでもと思っていると、
女「ねえ、怒ってない?」
俺「ん?どうしたの急に。俺、何かされたっけか?」
女「だって私、こんなのとか感謝しろとか偉そうに言っちゃったから。私が一緒にいたいから、あなたの側にいるのに」
俺「ああ、そのことか。こんなの、はちょっとアレだと思ったけど、別に気にしてないし怒ってもいないよ」
女「ホントに?」
俺「本当だって。本心じゃないのはわかりきってるし。それに一緒にいてくれて感謝してるのは本当だしね」
女「あっ・・・、うん、ありがとう」
俺「さあデートの続き続き。改装中だったあの店、今日リニューアルオープンだって話だから行ってみようか?」
女「うん!行こう行こう!」
そしてまた腕を組み、彼女と二人、目的地へと歩いた。

その晩はいつもよりたっぷりサービスしてくれた。なんか得した気分。