でていけ

21 名前:1 :2006/03/13(月) 00:02:08 ID:rQNrUPdyO
初めまして。書いてみたんで投稿しまつ・・・


今日このアパートに越してきた。 念願の一人暮らし。胸が膨らむぜ。

だが、その夜。
「でた」んだ。

青白い肌。白い服の女性。
寝ようと電気を消した部屋に、急に現れた。
そして、

「でていけ」

そう言った。
しかし俺は頭が混乱し、完全に腰が抜けて固まっていたので返す事ができない。
そんな俺にもう一度、

「私の部屋だ でていけ」

と言った。
かすれるような、悲しみのような怒りのようなモノが詰まった声で言った。
俺はなんとか冷静になるように自分に問い掛け、
やっと絞り出した声で目の前の幽霊に言い放った。


22 名前:2 :2006/03/13(月) 00:03:31 ID:KiSFd4fUO
こここここはおれおれの部屋だだだだぞぞ」
「私の部屋だ 出ていけ。」

即答された。もう泣きたい・・・
どうすりゃいいんだ。
目の前の幽霊は、ただじっと俺の事を睨んでいる。
俺は必死で脳を働かせ、霊に対する対処方を探った。しかし、
凡人として生きてきた俺はそんな事知っているハズが無い。
・・・・ふと、いきつけの2ちゃんねるのスレ、「なにそのツンデ霊☆」が浮かんだ。
ああこんな時に何考えてるんだ。ばかばか。
・・・でもあのスレに書いてある事って、今のこの状況と似てるような・・・てかまんまやん!!


23 名前:3 :2006/03/13(月) 00:04:40 ID:KiSFd4fUO
俺は脳をフル稼働させ、数々のレスやツンデ霊話の中から使えそうな言葉を探し出す。
その間にも女の霊は「出ていけ」と繰り返している。早く!俺脳味噌!!

そして、

「何度も言わせないで でていけ」
「む、無理!!」
「何故」
「き、君がすごくきれいだから・・・・」
「っ!!」

嗚呼、何を言っているんでしょうか。僕は馬鹿ですか。
ほら、幽霊さんも顔を赤くさせてつり目をさらにつり上げて僕を睨んでいます。
ああとうとううつむいて顔を手で覆い隠してしまいました。
きっと僕の事殺すための奥義を出すための構えなのかな。

24 名前:4 :2006/03/13(月) 00:05:33 ID:rQNrUPdyO
パパンママンごめんね、一人暮らし開始9時間で死亡だって。今年こそ彼女作って安心させてあげようと
おもってたのにあ、つまりおれ童貞のまま死ぬのかやだやだよそんなうわやだやd

「・・・やだ・・・」

うんやっぱりやだよね君もうわああん           え?

女の霊は、その一言だけ残すとすっと目の前から消えた。なんだかよくわからずその場にへたりこんでいた俺は、
状況を思い出しベッドに潜り込んだ。
毛布を頭まで被り、ガチガチ震えながら朝が来るのを待った。


25 名前:5 :2006/03/13(月) 00:06:33 ID:rQNrUPdyO
―その部屋の隅に、先程の女の霊がいた。
床に座り込み、顔を赤らめ、胸に当てた手を握り締め目を閉じ

「・・・やだ・・・」

また呟いた。


この時から、幽霊との不思議な同居生活が始まるのだった―。