ハムスター←僕←ツンデ霊7

831 名前:ポン介 ◆ZMp2Jv9w5o :2006/03/07(火) 21:24:10 ID:EoAp+/mX0
ひな祭りに半額で売っていた豆を買っていったら
えらい事怒られた。レイポンとは以来口を聞いていない。
ハムポンの世話はしているから、とりあえず文句はないが、まかりなりにも
同居人だ。何か気まずい。

そして、こんなときは彼女の知恵を拝借だ。
「・・・・あっそう」
斜め後ろを見つつ、吐き捨てるようにいう霊感少女。

「どうにかならないだろうか?」
どうやら、僕の生活の中で、レイポンとの他愛ないやり取りが大切なものに
なっていたらしい。
「ふーん・・・ちょっと待ってね」
つと、僕の額に指をあてがう。一瞬だったのでそのまま指をあてがわれてしまった。

「・・・どう?これで話できるっしょ」
「・・・・?」
「・・・余計なことしないで」

学校でレイポンの声を聞いたのは、始めてだ。
っていうか、いるのだろうか、ここに。ハムポンの世話もせず。

「むくれてるけど?」
「レイポン?」
「ほっといて」

832 名前:ポン介 ◆ZMp2Jv9w5o :2006/03/07(火) 21:24:42 ID:EoAp+/mX0
今まで聞いたことのない、冷たい声だった。怒ってるのだろうか?

「レイポン。すまなかった。ひなあられだったんだね」
「いいわよ別に。もうすぎた事だし」
棘だらけの声だった。いや、氷のような感じさえする。

「・・・くっだらない。帰るわよ」
「・・・いなくなっちゃったね」
後半ニヤニヤしつつ眺めていた霊感少女がいった。
「怒ってるのかな」
ポカーンとしている霊感少女。なんだというんだ。相談相手を間違えたのだろうか。

「・・・なんか買っていってやんなよ」
もういいやという感じで立ち上がり、振り返りもせずいってしまった。
「あーあ。なにやってんだろあたし」
そんな呟きは当然聞こえなかった。

「た、ただいまー」
気まずいながらもいつものように家に帰ると、ちゃぶ台に紅茶が入れてあった。
「あ、あのね。安かったから・・・」
レイポンが唐突に話しかけてきた。ほっとしつつも僕もスーパーの袋を出す。
「あ、ありがとう。これ・・・チョコ。・・・とハムポンのご飯。チョコ食べていいよ」
「う・・うん。ありがとう」

紅茶をすすりつつもなんか落ち着かない。でも、仲直りはできたのだろうか。
ハムポンはまだ明るい夕暮れ。新しいご飯をおいしそうに食べていた。