カンニング

566 名前:本当にあった怖い名無し :2006/02/25(土) 05:44:33 ID:ooquWmcE0
抜き打ちの数学のテストがあった
あまりにひどい点数を取った数名が放課後に居残りで再テストを受けるはめになった
時刻は午後7時を過ぎ、テストを終えたやつからさっさと帰っていく
とうとう最後は俺一人になってしまった

まったくわからないのでカンニングをすることにする
誰も見てないし問題ないだろう
普段から教科書を机に入れておくとこんなときに役に立つ

「そんな問題もわからないの?」

突然背後から声をかけられ振り向く……がそこには誰もいない

「カンニングなんてセコイ真似しないでさ、どうしてもっていうなら教えてあげてもいいよ」

今度は頭上から声がする
上を見上げるが、やはりそこには誰もいない
無視して教科書を取り出す

「ちょ、ちょっと! わたしが教えてあげるって言ってるじゃない!」
「いい」
「カンニングなんてして恥ずかしくないの?」
「別に」
「どうせ教科書見たってわからないんでしょ?」

うるさいので相手をするのを止めることにする
それでも誰かさんが耳元でブツブツ何事かをつぶやくので集中できない

「……どうしてもって言うなら、教わってやらないこともない」

嬉々とした声で解説を始める誰かさんのおかげで問題はあっさりと解決した
後日、満点の再テストが俺にカンニングの疑惑をもたらすことになったのは言うまでもない