妖怪いたずら小僧

433 名前:たまねぎツンデレ ◆vSaTtgGg0. :2006/02/21(火) 00:16:13 ID:i2GSR+P10
トリップのつけかたがわからず、騒いですいません。
お詫びに本日のラストを投下します。

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僕の家では物がよくなくなる。
死んだおばあちゃん曰く、「妖怪いたずら小僧」のしわざだそうだ。
しかし、家でなくなったものは本当に必要なときは、ぽっと出てくる。
だから、最近では気にしなくなった。

ある日、僕に彼女ができた。嬉しかった。
僕は有頂天で、友達に自慢しまくったものだ。

そんな僕に彼女がマフラーを作ってくれた。
彼女は「ふん、友達に私が手編みのマフラー作れることを証明したかっただけだから。…ほんとよっ」
とかいってた。それでも嬉しかった。ちょっと、歪だが僕の一生の宝物だ。
今度彼女とデートで遊園地に行くことになった。僕はこのマフラーをつけていくつもりだ。

当日、大変なことになった。確かに机においていたマフラーがなくなっている。
僕は探した。一生懸命探した。
…見つからなかった…。

彼女とけんかした。僕はマフラーをつけていなかったし、遅刻もしてしまった。
彼女は大粒の涙を浮かべて、僕を突き飛ばして帰ってしまった。
僕はといえば、尻餅をついたまま声をだして泣いてしまった。
ちっちゃな女の子がハンカチを貸してくれたのが余計にみじめだった。

家に帰ると僕は大声で叫んだ。
「妖怪いたずら小僧なんて消えてしまえーーーーー!!!」母が何事かと、僕の部屋の戸をたたいた。
僕は鍵をかけて布団のなかで泣いた。



434 名前:たまねぎツンデレ ◆vSaTtgGg0. :2006/02/21(火) 00:17:09 ID:i2GSR+P10

次の日、彼女が声をかけてきた。
「…これ」彼女が僕にみせたのは、手編みのマフラー。確かに、彼女からもらったマフラーだった。
「…家にあったわ。」といって、僕のほっぺたにキスをした。
状況が把握できない僕に彼女は、
「う、疑ったお詫びなんかじゃないんだから、まだ怒ってるんだから。でも、あまり情けない顔しないでよ」
といって走って教室に帰っていった。

腑に落ちないまま、家に帰った。
マフラーを置こうと机に目を向けると、書置きがあった。

『べ、べつにあなたが可愛そうだから、マフラーを返したんじゃないから。もう、暖かくなったからいらなくなっただけなんだからね』

僕はようやく、理解した。なるほど。彼女のお家にマフラーをおいたんだな。
「ありがとう、妖怪いたずら小僧」お礼を言った。
「あ、あんたのためじゃないんだから!! それと私は娘よ!!」背後から声がした。
ドアの向こうからちっちゃな女の子が顔を半分のぞかせて、すぐひっこんだ。

今も、僕のものはよくなくなる。そんな時、僕は机にケーキか和菓子を置いておく。
すると次の日
空っぽになったお皿となくなったものが机においてあるのだ。

―了―